2017年7月28日季節の養生
梅雨も明け、暑い日が続きますね。
先日、少し日差しが弱くなったので散歩にでかけると、真夏の太陽に負けない様に山のふちや道ばたなどにオレンジ色のユリのようなヤブカンゾウが咲いていました。
八重の花を咲かせるのがヤブカンゾウ(藪萱草)で、一重の花を咲かせるのがノカンゾウ(野萱草)です。
ヤブカンゾウやノカンゾウの仲間を古名で萱草(わすれぐさ)といいます。
万葉集にもうたわれていて、
萱草(わすれぐさ)わが紐(ひも)に付く香具山(かぐやま)の
故(ふ)りにし里を忘れむがため
大伴旅人が九州の大宰府で詠んだもので、明日香の香具山あたりの故郷が忘れがたくて、ひとときでも忘れるために着物の紐に忘れ草を結び付けているという意味だそうです。
わすれぐさと言われる由来は、花のつぼみを調理して食べると、心配事を全て忘れるほど美味しいことからきていると言われていたり、その美しい花を見ると憂いを忘れることができることからきているという説があります。
実はこのつぼみは、横浜の中華街や中華食材店にも置いてある生薬の金針菜(きんしんさい)なんです。
開花直前の蕾が黄金色で、細長く針状をしているため金針菜と名付けられたと言われています。
金針菜はつぼみを蒸してから日干しにして乾燥させたものです。
金針菜は神経を安定させ、よく眠れるなど、抗ストレス作用があるとされる他、鉄分がほうれん草の20倍も多いため、貧血によいとも言われています。
薬膳料理では戻して炒め物やスープなどに使われます。
散歩のときに採集した生のつぼみを料理してみました。
1.良く水洗いしてから沸騰したお湯に塩を一つまみ入れて茹でます。
2.蕾の先が少し開いてきたら、冷水に取りザルにあげます。
3.ザルに移してキッチンペーパーで軽く水気を拭き取る。
4.適当な器に移し、上から三杯酢をかけてできあがり。
三杯酢の量はお好みで。酢3:砂糖2:醤油1くらいかな
ほんと、おいしいです。
シャキシャキした食感でちょっとぬめりがあってすこし甘みもあって・・・
酢の物にするとお酢もピンク色になってかわいい。
ゆでてサラダにいれてもきれいだなと思います。
つぼみは生で食べると下痢をおこしやすいという説もあるようなので熱を加えて調理します。
次は花をてんぷらにしてみようかな。
現代は飽食の時代ですが、野草のたくましさと、昔の人の智恵や技を取り入れて、体が喜ぶ料理を作りたいなと思いました。